(社)コンクリートメンテナンス協会(中区東千田町、徳納武使会長=福徳技研(株)社長)は、福徳技研が持つ国土交通省の新技術情報認定システム(NETIS)登録のコンクリート補修補強工法の普及を進めている。
2012年年度は北陸地方整備局発注の筒石橋(新潟県)の補修工事をはじめ、約20件を受注する見通しだ。9月11日に東京、14日に大阪でフォーラムを開催。今後も全国で年に約20回のペースでフォーラムを聞くなどし、同工法の認知度向上を図る。
同工法は塩害や中性化、アルカリシリカ反応(ASR)なとで劣化したコンクリートの補修工事で、亜硝酸リチウムを圧入して修復する。特にASRが原因の異常膨張やひび割れには、再劣化を防ぐ工法として注目されている。使用する亜硝酸リチウムは、福徳技研、大盛建設コンサルタント、極東興和、井上建設、広島ガステクノ・サービスなどが共同開発して浸透性を高た。5月には、カプセル式加圧注入機を用いることで、従来の工法に比べてより小さな穴から注入し、コストも約2割削減できる技術「リハビリカプセル工法」もNETIS登録。東京、大阪のフォーラムでは土木コンサルティング業者、官公庁、自治体、ゼネコンなど計600人以上が訪れた。年内に同様のフォーラムを新潟、山口、福岡、松山、高松、徳島で開く。
同協会の会員数は前年から約2倍の34社となった。補修材料の受注を受ける福徳技研では材料の取扱量が前年の5トンに比べ約6倍に伸びている。近年、コンクリート構造物の劣化が問題となる中、同協会はコンクリート構造物の延命技術の向上・普及を進める。