(社)コンクリートメンテナンス協会(中区東千田町2-3-26、徳納剛会長=福徳技研社長)は、コンクリートの定量的補修技術の普及を進めている。2012年に34社だった会員数は現在、2倍超の全国73社に拡大。亜硝酸リチウムを使った「リハビリエ法」を一層普及させ、業界全体の補修技術の向上を目指す。
国によると、10年後には長さ2m以上の橋梁の約半分が建設から50年を経過すると推測され、近年はコンクリ片の落下などの事故が社会問題となっている。リハビリエ法は塩害や中性化、アルカリシリカ反応(ASR)が原因のコンクリ劣化に対する補修技術。亜硝酸リチウムはコンクリ補修用の混和剤として開発された工業用化学製品で、鉄筋の腐食やASR膨張を抑制する。劣化の症状や程度に応じ、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)登録済みのものなど6種類の工法がある。例えば、鉄筋の腐食発生限界値を超えているが、ひび割れ変状がない場合は、表面を覆う「リハビリ被覆工法」などが適するという。
技術の普及へ、広島をはじめ、福岡、大阪、東京、北海道などで年約20回のフォーラムを開催。16年からは国交省なども後援しており、10月26日には山口県産業技術センターで開く。