広島県コンクリート診断士会(米倉亜州夫会長=写真)による第28回定例サロンが8日、広島市中区で開催され、会員約30人が出席。今年1月にボランティアで実施した広島平和記念公園内「平和の灯」の高圧洗浄及び補修試験の結果などが報告されたほか、揖傷事例の模擬診断演習も行われた。
サロンは、同会が2カ月に一度定期開催している勉強会。前半の説明役を務めた鈴木智郎会長(復権調査設計)は、「平和の灯」の高圧洗浄でコンクリート表面の汚れが期待以上に取れ、きれいになったことなどを報告し、会員有志の協力に感謝。一方、補修試験では、使用材料の違いによる外見改善効果の違いなどが判明した。広島市によって今後検討される予定の補修工事に向け、「工法選定のメドがたった」という。
後半では、コンクリート構造物の損傷事例を紹介し、それを参加会員が模擬診断する実践的な演習も開かれ、米倉会長(米倉インフラ技術研究所)は、「コンクリート診断士の技術力底上げのためには、このような臨床的な経験が重要。今後は会員だけでなく、コンクリート診断士資格取得希望者にも広く公開したい。」と述べた。
なお、同会では今年4月、(一社)コンクリートメンテナンス協会(徳納剛会長)と共同により長崎の端島(軍艦島)での現地研究会を開く。約40人が参加し、長崎市職員の案内のもと、老朽化したコンクリート建築物を調査する予定だ。