亜硝酸リチウムを用いたコンクリート補修工法の品質維持のため、(一社)コンクリートメンテナンス協会(徳納剛会長)が定期的に開催している『リハビリ工法施工技術者研修会』が26日と27日、世羅郡世羅町の甲山農村環境改善センターなどであり、全国から約70人の会員が受講。座学・実技で述べ2日間の研修を経て、技術者認定証が授与された。
研修会は、4月時点での全国会員が80社を超えるなど、工法普及に伴い規模拡大している同協会が新規会員や既存会員の未経験者などを対象に毎年開いているもの。
午前中に開かれた座学では、同協会の江良和徳技術委員長(極東興和)が小柄シリンダーを用いたひび割れ注入工法の「リハビリシリンダー工法」、内部圧入の「リハビリカプセル工法」、亜硝酸リチウムとケイ酸塩系含浸材を組み合わせた表面含浸工法「プロコンガードシステム」について、技術の概要と適用事例、施工上の注意点などを解説。
実技では、井上建設関連施設(世羅町重永)に設置されたコンクリート製の試験体を使用し、「リハビリシリンダー工法」の注入のための座金の設置やひび割れ面のシール、シリンダーの設置、亜硝酸リチウム及びセメント剤の注入―などといった施工の流れを協会の熟練技術者の指導のもと、一人ずつ実際に作業して学んだ。
また、終了後には復習講習と認定試験を受け、合格者には認定証が発行された。認定証は4年間有効となる。
研修に立ち会った徳納会長(福徳技研)は、「NETIS登録の格上げ(A→VR)に加え、広島県のインフラ長寿命化技術にも登録されるなど、これまで以上に活用に機会が増える。しっかり学んでいただき、責任ある施工体制を作り上げていきたい」と話していた。